はじめに
UIデザインにおける配色は、ユーザーの印象や使いやすさを左右する重要な要素です。適切な色の選択と組み合わせは、プロダクトやサービスのブランドイメージを高め、ユーザーの感情を引き付けることができます。本日は、UIデザインの配色に関する実践的なノウハウをご紹介します。
配色の基本原則

UIデザインの配色には、いくつかの基本原則があります。それらを踏まえたうえで、独自の配色を検討することが重要です。
色の3属性
色には、「色相」「彩度」「明度」の3つの属性があります。色相とは、赤、青、黄緑などの色の種類を表します。彩度は色の鮮やかさを示し、明度は色の明るさを表します。これらのバランスによって、色の印象が決まります。
例えば、赤は情熱的で、青は冷静な印象を与えます。同じ色相でも、彩度と明度を変えることで、様々な雰囲気を演出できます。トーンは彩度と明度の組み合わせを指し、さまざまなイメージが付随しています。
配色ルール
配色には、いくつかのルールがあります。代表的なものとして、「補色」「類似色」「3色の法則」などが挙げられます。
補色とは、色相環の反対側にある色のことを指します。赤と青緑、黄色と紫などが該当します。補色を組み合わせると、よりはっきりとした印象を与えることができます。一方、類似色は隣り合う色相を指し、柔らかい印象を生み出します。
3色の法則とは、3色の組み合わせで配色を決める手法です。主色、副色、アクセントカラーを設定し、主色が60%、副色が30%、アクセントカラーが10%の割合で使うと、調和のとれた配色ができます。
アクセシビリティ
配色を検討する際は、アクセシビリティも考慮する必要があります。背景色とテキストの色のコントラストが低いと、視認性が下がり、ユーザビリティーが損なわれます。特に色覚の個人差に配慮し、色だけでなく形や記号も使って情報を伝えることが重要です。
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) には、コントラストの基準が定められています。UIデザインの配色では、この基準を満たすことが求められます。
UIデザインにおける配色の役割

UIデザインにおいて、配色は重要な役割を果たします。主な役割は次のようなものです。
ブランディング
配色はブランドイメージを形作る重要な要素です。例えば、Google のブランドカラーは青、赤、黄、緑です。この配色は、世界中で広く認知されています。優れた配色は、ブランドの個性を表現し、ユーザーに印象付けます。
ブランディングのための配色を検討する際は、ターゲット層の嗜好や業界の傾向を考慮する必要があります。適切な配色は、ユーザーの信頼を獲得し、ブランド力の向上につながります。
情報の階層化
色は情報の優先度を示すのに役立ちます。重要な情報には目を引く色を使い、補助的な情報には落ち着いた色を使うことで、視覚的な階層化ができます。
例えば、エラーメッセージには赤、正常な状態には緑を使うなど、色で状態を示すことができます。また、一覧表示ではテーマごとに異なる色を使い、内容の分類を明確にすることもできます。
UIコンポーネントの区別
色は、UIコンポーネントを視覚的に区別するのにも役立ちます。ボタン、リンク、入力フィールドなど、それぞれに異なる色を割り当てることで、機能の違いを一目で認識できるようになります。
さらに、色でUIコンポーネントの状態を示すこともできます。例えば、アクティブなボタンとディセーブルなボタンでは、異なる色を使い分けることが一般的です。
配色プロセス

UIデザインの配色には一定のプロセスがあり、次のようなステップを踏むことが推奨されています。
ブランディング戦略の理解
配色を検討する前に、まずはブランディング戦略を理解する必要があります。ブランドの価値観や目指すイメージ、ターゲット層などを把握することが大切です。配色はブランドと密接に関係しているため、戦略との整合性を図ることが重要です。
ブランディング戦略が明確でない場合は、ワークショップを開催するなどして、関係者で共有することをおすすめします。
競合他社の調査
次に、競合他社の配色を調査します。同じ業界ではある程度共通した色使いがなされている場合があるため、参考になるでしょう。ただし、単に真似るのではなく、差別化のポイントも探ることが大切です。
また、競合他社の配色を分析することで、業界の傾向や好まれる色の組み合わせなどを把握できます。そうした知見は、自社の配色を検討する際の参考になります。
色の選定と組み合わせの検討
ブランディング戦略と競合他社の調査を踏まえ、具体的な色の選定と組み合わせを検討します。この段階では、配色ツールの活用や、デザイナーとの議論を通して、様々なパターンを検討することが重要です。
選定した色の組み合わせは、実際のUIデザインに取り入れて、見映えや使いやすさをテストすることをおすすめします。必要に応じて調整を加えながら、最適な配色を見つけていきます。
アクセシビリティの検証
配色の検討が一通り終われば、次はアクセシビリティの検証です。WCAGの基準を満たしているかどうかを確認し、視認性の高いデザインになっているかを点検します。
また、色覚の個人差にも配慮し、色以外の要素でも情報が伝わるようにすることが大切です。アイコンや記号、テキストなどを効果的に組み合わせることで、より多くのユーザーに配慮したUIデザインを実現できます。
配色パターンとツール

UIデザインの配色を検討する際は、定番の配色パターンを参考にしたり、便利なツールを活用したりすることをおすすめします。
一般的な配色パターン
UIデザインでよく使われる配色パターンとしては、次のようなものがあります。
- モノクロ(白黒) + 1色
- 無彩色(白、グレー、黒) + 1色
- ベースカラー + アクセントカラー
- 類似色の組み合わせ
- 補色の組み合わせ
これらの配色パターンを参考にしつつ、独自の工夫を加えていくと良いでしょう。
配色ツール
効率的に配色を検討するためのツールも存在します。代表的なものを紹介します。
- Adobe Color
- Coolors
- Paletton
- ColorMind
これらのツールでは、好みの色を選ぶと、調和の取れた配色パターンを自動生成してくれます。また、画像から色を抽出するなど、便利な機能が揃っています。デザイナーの方はもちろん、ノンデザイナーの方にもおすすめです。
まとめ
UIデザインにおける配色は非常に重要な要素であり、ブランディングや情報の階層化、UIコンポーネントの区別など、様々な役割を果たします。適切な配色を実現するためには、配色の基本原則を理解し、ブランディング戦略と整合性を図ることが不可欠です。
配色を検討する際は、競合他社の調査や配色ツールの活用、アクセシビリティの検証など、一定のプロセスを経ることが推奨されます。最終的には、ユーザーにとって使いやすく、ブランドの個性を表現できる配色を目指すことが大切です。
本記事で紹介した配色に関する知見を参考にしながら、皆様のUIデザインを一歩前に進めていただければ幸いです。

